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物価高はいつまで続く? 終わっても値段が元に戻らない理由

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2025年の物価(消費者物価指数・総合の年平均)は、2021年と比べて

12.2%高い

総務省統計局の消費者物価指数(2025年基準)の年平均の指数(2021年 89.1 → 2025年 100.0)から計算

物価高がいつ終わるかは、このページでは予想しません。ただ、「物価高が終わる」は、物価の上がる速さ(前年比)が落ちることで、上がった値段が元に戻ることではありません。 実際、2026年に入ってから、総合の前年同月比は1月から8月まで1.3%〜1.9%に下がっていますが、 どの月も、値段は前の年の同じ月より高いままです。日本銀行の目標どおりなら、物価は毎年2%ずつ上がっていきます。
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「物価高が終わる」と、値段は元に戻る?

物価の統計(消費者物価指数)には、2つの数字があります。1つは指数で、ある年(いまは2025年)の値段の平均を100としたときの、値段の高さです。 もう1つは前年比で、1年前と比べて何%上がったか、つまり値段の上がる速さです。

「物価高が終わる」を前年比で見ると、それは上がる速さが落ちることです。前年比がプラスのあいだは、値段は1年前より高くなり、指数は上がり続けます。 指数が下がる(値段が下がる)のは、前年比がマイナスになったときです。

前年比(上がる速さ)と指数(値段の高さ)(全国・総合の年平均、2021〜2025年)
年前年比(上がる速さ)指数(値段の高さ、2025年=100)
2021年−0.2%89.1
2022年2.5%91.4
2023年3.2%94.3
2024年2.7%96.9
2025年3.2%100.0

たとえば2024年は、前年比が2023年の3.2%から2.7%に下がりましたが、指数は94.3から96.9に上がっています。上がる速さが落ちても、値段は上がっています。

物価の水準(消費者物価指数・総合の年平均、2025年=100、1990〜2025年)
8090100110199019952000200520102015202020252030デフレの時期
  • 実際の物価(年平均の指数)
  • 目標どおり毎年2%上がった場合の計算(予測ではありません)
  • 薄い色の帯: 1998〜2012年(デフレの時期)

破線は、2025年から物価が毎年ちょうど2%ずつ上がった場合(日本銀行の目標どおりの場合)の計算で、5年後の2030年には110.4になります。 将来の物価の予測ではありません。実際の物価は、年によって2%より高くも低くもなってきました(年ごとの前年比の表)。

「長引く物価高」は、どれくらい続いている?

総務省統計局の消費者物価指数(総合)の年平均の前年比は、2022年から2025年まで、4年続けて日本銀行の目標の2%を上回りました。月ごとに見ると、前年同月比が2%を上回った月は、2022年4月から2025年12月まで45か月続きました。

2026年に入ると、前年同月比は1月から8月まで1.3%〜1.9%で、2%を下回っています。 総務省の2026年8月分の資料では、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」の開始などで電気代や都市ガス代が下がり、エネルギーは前年同月比−0.7%(電気代は−2.4%)と、上昇から下落に変わりました。総務省は、ガソリンの暫定税率廃止と政策による効果も試算して示しています。 日本銀行も2026年7月の展望レポートで、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比が、政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから1%台半ばになっていると説明しています。

消費者物価指数(総合)の前年同月比(全国、2026年1月〜2026年8月)
月前年同月比
2026年1月1.5%
2026年2月1.3%
2026年3月1.5%
2026年4月1.4%
2026年5月1.5%
2026年6月1.6%
2026年7月1.9%
2026年8月1.9%

ただし、前年同月比が2%を下回っていてもプラスなので、値段は1年前より上がっています。2026年8月の総合指数は102.2(2025年の平均=100)で、2025年8月より1.9%高い水準です。前年比が2%を下回ったのは、上がる速さが落ちたということで、値段が下がったということではありません。

2021年から、値段はどれだけ上がった?

物価が上がり始める前の2021年(年平均の前年比−0.2%)と、直近の2025年の年平均の指数を、費目ごとに並べました。 総合で12.2%、食料で25.8%上がっています。一方で、教育は2.9%下がっています(理由は次の節)。

2021年に1万円だった買い物は、費目ごとの値段の動きのとおりなら、2025年には次の金額になります。

2021年から2025年までの物価の動き(全国・年平均の指数。2025年をどの費目も100とした値)
費目2021年の指数変わった割合2021年の金額が2025年には
総合89.1+12.2%11,223円
食料79.5+25.8%12,579円
住居96.7+3.4%10,341円
光熱・水道86.7+15.3%11,534円
家具・家事用品83.6+19.6%11,962円
被服及び履物90.4+10.6%11,062円
保健医療95.5+4.7%10,471円
交通・通信95.0+5.3%10,526円
教育103.0−2.9%9,709円
教養娯楽87.9+13.8%11,377円
諸雑費95.5+4.7%10,471円
エネルギー(別掲)84.5+18.3%11,834円
指数は総務省統計局の公表値(小数第1位まで)です。2025年基準なので、2025年はどの費目も100.0で、2021年の指数が100より小さいほど、大きく上がっています。費目は総務省の表の10大費目をすべて並べ、上がった費目だけを選んではいません。 エネルギーは、電気代・都市ガス代・プロパンガス・灯油・ガソリンをまとめた系列で、10大費目の光熱・水道や交通・通信と重なります(別掲)。 上がった割合と金額は指数から計算した値で、一人ひとりの買い物の値段の動きとは違います。費目ごとに何がなぜ上がったかは、このページでは扱っていません。

物価が下がることはある?

費目や品目では、下がることがあります

  • 2023年のエネルギー(年平均の前年比−6.0%):総務省は、資源価格の下落や「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の効果で、エネルギーが下落したとしています。
  • 2025年の教育(年平均の前年比−4.5%):総務省の2025年平均の表では、高等学校授業料(公立)が前年比−71.1%で、教育を押し下げています。
  • 2026年の光熱・水道:前年同月比は、1月から8月までの8か月のうち7か月でマイナスです(いちばん大きいのは2月の−5.8%)。

ただし、ある費目が下がっても、ほかの費目が上がれば、総合(全体)の値段は上がります。エネルギーが下がった2023年も、総合は3.2%上がりました。

全体の値段が下がり続けたのが、デフレの時期です

日本銀行の黒田総裁(当時)は、2014年3月20日の講演で、1998年度から2012年度までの15年間の消費者物価の下落率は、平均して年0.3%だったと説明しています。 同じ時期を年平均の指数(暦年)で見ると、1998年の87.8から2012年の84.4へ、14年間で3.9%下がりました。2012年の水準は、1992年(84.1)と1993年(85.2)のあいだです。全体の値段が、何年も前の水準まで下がった時期があったということです。

デフレの時期と、2021年以降の物価の水準(全国・総合の年平均の指数、2025年=100)
期間始めの年終わりの年変わった割合年数
1998→2012年(デフレの時期)87.884.4−3.9%14年
2021→2025年89.1100.0+12.2%4年

デフレの時期に14年かけて下がった幅は3.9%で、2021年から2025年までの4年間に上がった幅(12.2%)より小さいものでした。

日本銀行の目標は、値段の高さではなく、上がる速さで決められています

日本銀行の「物価安定の目標」は、消費者物価の前年比上昇率2%です(2013年1月に決定)。物価の水準(値段の高さ)ではなく、前年より何%上がるか(上がる速さ)で決められています。 2014年の講演では、デフレから脱却するには、消費者物価の前年比で0%より高い上昇率を目指す必要があると説明しています。目標どおりなら、物価の水準は毎年2%ずつ上がっていきます。 目標の理由は、なぜ0%ではなく「2%」なのかで説明しています。

日本銀行は、この先の物価をどう見ている?

このページは予想をしませんが、日本銀行は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、物価の見通しを公表しています。2026年7月31日の展望レポートは、 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、2026年度後半以降、「2%をはっきりと上回る水準まで伸び率を高めていくと予想される」、 その後、見通し期間の後半には「2%程度に向けてプラス幅を縮小していくと考えられる」と書いています。

日本銀行の政策委員の見通しの中央値(消費者物価指数(除く生鮮食品)の対前年度比、2026年7月31日の展望レポート)
年度7月の見通し(中央値)4月時点の見通し(中央値)
2026年度+2.5%+2.8%
2027年度+2.4%+2.3%
2028年度+2.0%+2.0%

どの年度も、上がる速さ(前年比)がプラスの見通しです。見通しは見直されるもので、たとえば2026年度の中央値は、4月時点の2.8%から 7月に2.5%へ変わりました。日本銀行は、物価の見通しについて「上振れリスクの方が大きい」ともしています。

これは2026年7月31日時点の日本銀行の見通しで、このサイトの予想ではありません。最新の見通しは、日本銀行の展望レポートで確かめてください。

値段が元に戻らないなら、何と比べればいい?

値段の水準が元に戻らない場合、暮らし向きを考えるときに比べる数字は、物価の上がり方と、給料(手取り)の伸び方です。 給料が物価と同じ率だけ上がっても、税金と社会保険料が先にかかるぶん、手取りの伸びは物価より小さくなることがあります。

  • 物価に負けない昇給率は何%?

    物価が上がったとき、給料が何%上がれば手取りは同じだけ増えるかを、年収と家族構成を選んで確かめられます。

  • なぜ物価は上がり続けるのか?

    日本銀行が物価の上昇率2%を目標にしている理由と、年ごとの物価の動き、物価が上がり続けたときのお金の目減りがわかります。

  • 年収別の手取り 早見表

    年収ごとの手取りと、所得税・住民税・社会保険料の内訳が、独身と夫婦の表でわかります。

このページの数字や説明の出典は、下の「根拠」に並べています。

計算の前提

  • 物価の数字は、総務省統計局の消費者物価指数(全国)の公表値です(取得日 2026年10月9日)。指数は2025年基準(2025年の平均=100)で、2024年以前は、総務省が以前の基準の指数を2025年=100に換算した値(接続指数)です。前年比・前年同月比は、各基準年の公表値です
  • 上がった割合と金額は、小数第1位まで公表されている指数から計算しています(割合は小数第2位を四捨五入、金額は1円未満を四捨五入)。指数の丸めのため、前年比を掛け合わせた値とは0.1ポイントほど違うことがあります
  • 費目の値段の動きは、その費目に含まれる品目の平均です。一人ひとりの買い物の値段の動きとは違います
  • 「目標どおり年2%で上がった場合」の線は、物価が毎年ちょうど2%ずつ上がると置いた計算で、予測ではありません。日本銀行の見通しは、日付をつけて日本銀行の見通しとして紹介しています
  • 税金や社会保険料は、このページの計算に入れていません

根拠

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