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物価に負けない昇給率は何%? 手取りが物価に追いつく昇給率を試算

更新日:

年収500万円・独身・共働きで、物価が2%上がったとき、手取りを2%増やすのに要る昇給率

2.09%

額面が2%(10.0万円)上がっても、手取りは1.91%しか増えません

物価が上がった分だけ手取りを増やすには、額面の昇給率を、物価の上昇率より大きくする必要があります。増えた額面から、所得税・住民税・社会保険料が先に引かれるからです。 年収と家族構成、物価の上昇率を選んで、あなたの場合を確かめられます。
年収500万円・独身・共働きの条件で計算する

年収・家族構成・物価の上昇率を選ぶ

年収500万円・独身・共働きで、物価2%(日本銀行の目標)のとき

手取りを物価と同じ2%だけ増やすのに要る昇給率は

2.09%

額面で10.5万円の増加です。額面が510.5万円以上になれば、どこまで上がっても届きます。

額面が物価と同じ率だけ(10.0万円)上がったときの、手取りの伸びは

1.91%

手取りは7.5万円増えます。物価と同じ率で増やすには、7.9万円増える必要があります。

シェアされるのは、選んだ年収・家族構成の、物価2%(日本銀行の目標)の結果です。直近の実績は毎年変わるので、シェアの画像には入れていません。

なぜ、額面が物価と同じ率で上がっても、手取りは追いつかない?

額面が増えると、増えた分には、所得税・住民税・社会保険料がかかります。手取りに残るのは、増えた額面から、それらを引いたあとの分だけです。 そのため、額面が物価と同じ2%上がっても、手取りの伸びは2%に届きません。

年収500万円・独身・共働きで、額面が2%(10.0万円)増えたときの、増えた分の行き先
  • 所得税(復興特別所得税を含む)3,318円(3.3%)
  • 住民税6,500円(6.5%)
  • 社会保険料(概算)15,000円(15%)
  • 手取りに残る分75,182円(75.2%)

年収500万円・独身・共働きでは、増えた額面のうち、所得税が約3.3%、住民税が約6.5%、社会保険料が15.0%で、手取りに残るのは約75.2%です。 手取りは今の額面の約78.4%なので、増えた分の手取りへの残り方は、今の手取りの割合より小さくなっています。 そのため、手取りの伸びは額面の伸びを下回ります。

この「増えた額面の分け方」は、年収によって違います。所得税の税率が上がる段をまたぐ年収では、増えた額面から引かれる所得税が増え、手取りに残る割合が下がります。 下の表は、独身・共働きで、額面が物価2%分増えたときの、増えた額面の分け方です。

独身・共働きで、額面が物価2%分増えたときの、増えた額面の分け方(年収別)
年収今の所得税の税率所得税住民税社会保険料(概算)手取りに残る分この昇給のあいだに切り替わるもの
300万円5%2.8%5.5%15.0%76.7%—
350万円5%2.8%5.4%15.0%76.8%—
400万円5%3.3%6.5%15.0%75.2%—
450万円5%3.3%6.4%15.0%75.3%—
500万円5%3.3%6.5%15.0%75.2%—
550万円10%6.6%6.5%15.0%71.9%—
600万円10%6.6%6.5%15.0%71.9%—
650万円10%6.8%6.7%15.0%71.5%661万円付近(給与所得控除の式が変わる)
700万円20%15.3%7.5%15.0%62.2%—
750万円20%15.2%7.5%15.0%62.3%—
800万円20%15.3%7.5%15.0%62.2%—
850万円20%23.3%8.5%15.0%53.2%851万円付近(基礎控除が下がる)、851万円付近(給与所得控除の式が変わる)
900万円20%17.4%8.5%15.0%59.1%—
950万円20%17.3%8.5%15.0%59.2%—
1,000万円20%17.4%8.5%15.0%59.1%—
年収の行は、額面が2%上がるあいだの境目を数えています。社会保険料は年収の15%の概算なので、どの年収でも15%です。 実際は、標準報酬月額の上限を超える月給の人は、これより小さくなります。

年収別に見ると、必要な昇給率はどう違う?

独身・共働きの会社員(給与のみ)で、物価が2%(日本銀行の目標)上がったときと、直近の実績(2025年の年平均で3.2%)のときの、要る昇給率です。 選ぶ操作ができないときも、この表で読めます。「手取りの伸び」は、額面が物価と同じ率だけ上がったときの、手取りの伸びです。

独身・共働きの、要る昇給率と、額面が物価と同じ率だけ上がったときの手取りの伸び(年収別。物価2%と3.2%の場合)
年収物価2%: 要る昇給率物価2%: 手取りの伸び物価3.2%: 要る昇給率物価3.2%: 手取りの伸び
300万円2.09%1.91%3.35%3.06%
350万円2.08%1.92%3.34%3.07%
400万円2.11%1.89%3.37%3.03%
450万円2.10%1.91%3.36%3.05%
500万円2.09%1.91%3.34%3.06%
550万円2.17%1.84%3.48%2.95%
600万円2.16%1.85%3.45%2.97%
650万円2.99%1.85%4.36%2.18%
700万円2.44%1.64%3.90%2.62%
750万円2.41%1.66%3.85%2.65%
800万円2.38%1.67%3.81%2.68%
850万円2.68%1.45%4.17%2.41%
900万円2.45%1.63%3.92%2.61%
950万円2.43%1.65%3.88%2.63%
1,000万円2.41%1.66%3.85%2.66%

どの年収でも、要る昇給率は物価の上昇率より大きく、額面が物価と同じ率で上がったときの手取りの伸びは、物価の上昇率より小さくなっています。 年収が高いほど差が大きくなるわけではなく、所得税の税率や控除が切り替わる年収の前後で、差が広がったり、縮まったりします。

350万円の行は、要る昇給のあいだに361万円付近(給与所得控除の式が変わる)の境目があります。650万円の行は、要る昇給のあいだに661万円付近(給与所得控除の式が変わる)、666万円付近(基礎控除が下がる)、677万円付近(所得税率10%→20%・独身)の境目があります。850万円の行は、要る昇給のあいだに851万円付近(基礎控除が下がる)、851万円付近(給与所得控除の式が変わる)の境目があります。650万円の行では、額面が約2.16%上がったところで手取りは一度目標に届きますが、666万円付近の境目(基礎控除が下がる)を超えると、額面が増えたのに手取りが減って届かなくなります。2.99%以上上がれば、どこまで上げても届きます。「要る昇給率」は、手取りが目標に初めて届く額面ではなく、その額面以上ならどこまで上げても届く最小の額面から出しています。

家族構成で、必要な昇給率は変わる?

年収500万円で、物価が2%上がったときの、家族構成ごとの結果です。扶養する家族がいると所得税・住民税が少なくなるので、増えた額面から引かれる割合も変わります。

年収500万円で、物価2%のときの、家族構成ごとの要る昇給率と手取りの伸び
家族構成要る昇給率額面が物価と同じ率で上がったときの手取りの伸び
独身・共働き2.09%1.91%
夫婦(配偶者控除あり)2.12%1.89%
共働き+子1人(高校生)2.12%1.89%
共働き+子1人(大学生)2.14%1.87%
夫婦+子1人(高校生)2.15%1.86%
共働き+子2人(大学生と高校生)2.16%1.85%
夫婦+子2人(大学生と高校生)2.19%1.82%

この数字は、どんな場面で使える?

評価面談や春季労使交渉(春闘)の結果、転職先から示された年収を比べるときに、「額面が何%上がれば、手取りで見て物価に追いつくか」の目安として使えます。 たとえば年収500万円・独身・共働きで物価が2%上がったなら、額面が2.09%以上(10.5万円以上)上がれば、手取りは2%以上増える計算です。

ここでの数字は、判断の材料です。昇給を求めるべきかどうか、どの会社に移るべきかを示すものではありません。 手取りは、家族構成や、ふるさと納税・医療費控除などの使い方でも変わるので、自分の源泉徴収票の数字と見比べて使ってください。

社会保険料の概算は、実際とどう違う?

この試算では、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)を、年収の15%として計算しています。実際の保険料は、年齢・加入する健康保険・毎月の給与(標準報酬月額)によって変わります。

実際との差の向きで、確かめられたことは次のとおりです。標準報酬月額には上限があり、厚生年金保険は65万円(月の報酬が63.5万円以上でこの額)、 健康保険は139万円です。標準賞与額にも上限があり、厚生年金保険は1回150万円、健康保険は年度の累計573万円です (日本年金機構、協会けんぽの令和8年度保険料額表)。上限を超える分には保険料がかからないので、月給が高い人ほど、実際の社会保険料の割合は15%より小さくなる方向です。 賞与がなく年収を12等分して受け取る場合は、年収が約762万円を超えると、厚生年金保険の標準報酬月額が上限になります。

上限を超える人は、増えた額面にかかる社会保険料も、この試算より少なくなります。その分、実際に要る昇給率は、この試算より小さくなると考えられます。 上限に届かない年収の人は、15%の概算と実際の差は、加入先と年齢で決まります。このページでは、その差を計算に入れていません。 所得税・住民税の計算の根拠は、計算の根拠にまとめています。

計算の前提

  • 令和8年分(2026年1〜12月の収入)の所得税(復興特別所得税を含む)と、同じ所得で計算した住民税(年額)から出した目安。住民税は標準税率(所得割10%、均等割5,000円)で、自治体によって異なることがある。住民税は実際には翌年度に払うが、同じ年の所得にかかる額として入れている
  • 収入は給与だけ(勤務先1か所、年末調整を受けている)。年収は給与の額面(賞与を含み、非課税の通勤手当は含めない)。昇給は額面が一律に増えるものとして、所得税・住民税・社会保険料を計算し直している
  • 社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)は年収の15%で概算。実際の保険料は、年齢・加入する健康保険・標準報酬月額などで変わる。標準報酬月額と標準賞与額には上限があり、上限を超える分には保険料がかからないので、月給が高い人ほど、実際の割合は15%より小さくなる方向(このページの試算では反映していない。くわしくは本文の「社会保険料の概算は、実際とどう違う?」の節)
  • 手取りは、額面から所得税・住民税・社会保険料を引いた年額。「要る昇給率」は、手取り(額面×(1+昇給率)) ≧ 手取り(額面)×(1+物価の上昇率) となる最小の昇給率(額面を1円単位で調べ、その額面以上ならどこまで上げても条件を満たす最小の額面から出す。表示は小数第2位で、足りない側にならないよう切り上げ)
  • 物価の上昇率は、日本銀行の物価安定の目標(2%)、総務省統計局の消費者物価指数(総合、年平均の前年比)の直近の実績、1〜5%から選べる。物価は、手取りの金額を何%増やせば元の暮らしを保てるかの目安として使っている(家計ごとの物価の感じ方や、ふだん買うものの違いは反映していない)
  • 配偶者は収入がなく、配偶者控除を受ける(「共働き」は配偶者に自分の給与があり、配偶者控除の対象外)。「高校生」は16〜18歳、「大学生」は19〜22歳の子。生命保険料控除・iDeCo・医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除などは使っていない
  • 年収は300万〜1,000万円を50万円刻みで選べる(住民税の非課税の判定に入らない範囲)。間の年収は、前後の行の間になる

根拠

計算ツールで、年収・家族・副業・控除などを入力すると、あなたの所得税・住民税・手取りの目安を計算できます。

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