副業の確定申告のやり方(会社員・令和8年分)
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年収500万円の会社員が、副業の収入80万円(経費30万円)を確定申告したときに納める所得税の目安
約4.2万円
副業の所得50万円の分にかかる所得税です。住民税は別に、翌年度に年50,000円増えます(令和8年分。独身・給与1か所で年末調整を受けている場合)
確定申告の手順(本業が給与で、副業もある会社員)
年末調整を受けた本業の給与の分は、すでに所得税が差し引かれています。確定申告では、そこに副業の所得などを合わせて1年分の所得税を計算し直し、 すでに差し引かれた分(源泉徴収税額)との差を、納める(または戻る)額として精算します(国税庁 No.2020)。 なお、まだ申告が要るかどうかがわからないときは、先に副業20万円ルールのページで判定してください。
用意する書類
| 書類 | 何に使うか | 見方・入手先 |
|---|---|---|
| 本業の源泉徴収票 | 給与の収入金額と、すでに差し引かれた所得税(源泉徴収税額)、社会保険料などを入力する | 勤務先から受け取る。見方は源泉徴収票の見方 |
| 副業の収入と経費の記録 | 副業の年間の収入金額と、収入を得るためにかかった必要経費を入力する(所得 = 収入 − 経費) | 支払元の支払明細・支払調書、入金の記録、領収書や請求書など。自分で帳簿や表計算の記録をつけておく |
| 控除の証明書(使う人だけ) | 生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCoの掛金・医療費控除などを使うときに、金額を入力する | 書類の読み方の一覧(医療費は医療費のお知らせ)。 年末調整で済ませた控除は、源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」に入っている |
| マイナンバーカード | e-Tax で送信するときの本人確認に使う(マイナンバーカード方式) | スマホで読み取るか、カードリーダーを使う。有効期限や暗証番号を事前に確かめておく |
副業の所得は、雑所得か事業所得か
副業の所得が給与以外のときは、多くの場合、雑所得(業務に係る雑所得)か事業所得のどちらかで申告します。どちらも収入から必要経費を引いた額が所得になり、20万円を超えるかの判定も同じです。 違いが出るのは、帳簿書類の保存や、赤字のときの扱いなどです。
| 業務に係る雑所得 | 事業所得 | |
|---|---|---|
| 区分の考え方 | 事業所得と認められるものを除く、副業の所得。原稿料・講演料、営利を目的として継続的に行う資産の譲渡(転売など)の所得が例示されている(所得税基本通達35-2) | 活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行われているもの。取引を記録した帳簿書類の保存がない場合は、収入金額が300万円を超えて事業所得と認められる事実がある場合を除き、業務に係る雑所得になる(35-2の注) |
| 計算 | 総収入金額 − 必要経費(国税庁 No.1500) | 総収入金額 − 必要経費 |
| 赤字のとき | 雑所得の金額の計算上生じた損失は、給与など他の所得と損益通算できない(No.1500)。給与から差し引かれた税金は戻らない | 損益通算の対象になる場合がある。ただし、事業所得と認められるかの判断が前提になる |
| 書類の保存 | 前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合、現金預金取引等関係書類の保存が必要。1,000万円を超える場合は、確定申告書に収支内訳書などを添付する(No.1500) | 事業所得を得る人は、記帳と帳簿書類の保存が必要(国税庁の記帳・帳簿等の保存の案内) |
どちらに当たるかは、副業の内容や規模、継続性など、実態に応じて判断されます。迷うときは、税務署や税理士に相談してください。 このページの数字の例は、副業を雑所得として計算したものです。
入力する場所と、住民税の欄
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額を入力すると、申告書や必要な付表・明細書が自動で作られます(No.2020)。 給与と副業の所得は、次のように入力します。
| 入力するもの | 元になる数字 |
|---|---|
| 給与 | 源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」など。本業の分は、年末調整のあとの税額がすでに差し引かれている |
| 副業(雑所得など) | 副業の年間の収入金額と必要経費。支払元ごとに分けて入力できる |
| 所得から差し引かれる金額(控除) | 医療費・保険料・iDeCoなど、年末調整で済ませていない控除や、年末調整では使えない控除 |
| 住民税・事業税に関する事項 | 副業など給与以外の所得の住民税を、給与から差し引く(特別徴収)か、自分で納める(普通徴収)かを選ぶ欄。扱いは自治体で違う。詳しくは副業の住民税のページ |
いくら納める? 具体例(本業の年収500万円・副業の所得50万円)
本業の年収500万円(独身・給与のみ)の会社員が、副業の収入80万円・経費30万円(所得50万円)を確定申告する例です。 申告書の「納める税金」は、1年分の所得税から、すでに差し引かれた源泉徴収税額を引いた額です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 副業の収入 | 800,000円 |
| 副業の必要経費 | 300,000円 |
| 副業の所得(収入 − 経費) | 500,000円 |
| 給与と副業を合わせた課税所得(所得控除を引いたあと) | 2,270,000円 |
| 1年分の所得税(復興特別所得税を含む) | 132,219円 |
| すでに差し引かれた所得税(源泉徴収税額。給与だけで計算した額) | 90,358円 |
| 申告書で納める所得税 | 41,861円 |
| (別に)翌年度に増える住民税(年額) | 50,000円 |
納める所得税が30万円以下なら、下の「納付の方法」にあるスマホアプリ納付やコンビニ納付も使えます。 年収ごとの、副業の所得で増える所得税・住民税の一覧は、副業20万円ルールのページの表にあります。
医療費控除も一緒に申告すると、戻ることもある
副業の所得が20万円を超えて確定申告をするなら、医療費控除など、年末調整で受けられなかった控除も同じ申告書に入れられます。 本業の年収500万円・副業の所得30万円(経費なし)の人が、支払った医療費(保険金などの補填なし)が違うときの、申告の結果です。
| 支払った医療費 | 医療費控除の額 | 所得税の申告の結果 | 住民税(年額)の増減 |
|---|---|---|---|
| 使わない | ― | 21,441円を納める | +30,000円 |
| 20万円 | 100,000円 | 11,231円を納める | +20,000円 |
| 40万円 | 300,000円 | 納める額も戻る額も0円 | +0円 |
| 60万円 | 500,000円 | 10,210円が戻る | −20,000円 |
| 80万円 | 700,000円 | 20,420円が戻る | −40,000円 |
この例では、医療費控除の額(足切りのあと)が副業の所得と同じ額になると、所得税の納める額が0円になります(医療費40万円のとき)。 それを超えると、副業の所得にかかる所得税を差し引いても、所得税の還付が出ます。 医療費控除そのものの計算と、年収別の戻る額は、医療費控除はいくら戻るか(年収別の早見表)にあります。
期限・納付の方法・還付
| 項目 | 日付・内容 |
|---|---|
| 申告の期間 | 令和9年2月16日(火)〜3月15日(月)(原則。国税庁 No.2020) |
| 申告・納付の期限 | 令和9年3月15日(月)。納める税金も同じ日までに納める |
| 還付申告(戻る人だけの申告) | 確定申告の期間とは関係なく、翌年1月1日から5年間提出できる(国税庁 No.2030)。ただし、副業の所得があって申告の義務がある人は、期限までに申告する |
| 期限に遅れたとき | 納付が遅れると、延滞税が課される(国税庁の納付のQ&A) |
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 振替納税 | 届け出た口座から、指定された日に自動で引き落とされる。事前の届出が必要で、引き落としは申告期限のあとの4月(国税庁が毎年公表する日) |
| ダイレクト納付 | e-Taxで申告したあと、自分名義の口座から、即時または指定した日に引き落とす |
| インターネットバンキング等 | 利用している金融機関のサービスから納める |
| クレジットカード納付 | 専用サイトでカードを使う。納付額に応じた決済手数料がかかる |
| スマホアプリ納付 | e-Taxで送信したあと、スマホ決済アプリで納める。納める額が30万円以下のときだけ使える |
| コンビニ納付(QRコード) | QRコードを作り、対応するコンビニで現金で納める。納める額が30万円以下のときだけ使える |
| 現金(納付書) | 納付書を自分で作って、金融機関や税務署の窓口で現金で納める |
住民税のこと
所得税の確定申告をすると、住民税の申告をしたものとして扱われます。副業の所得の分の住民税は、本業の給与と合算されて計算され、翌年度の6月から納めます。 納め方(給与から差し引く特別徴収か、自分で納める普通徴収か)の選び方と、自治体による違いは、副業の住民税のページにまとめています。所得税の確定申告をしない(副業の所得が20万円以下の)人は、市区町村に住民税の申告書を出します。
よくある注意点
- 副業の記録は、年の途中からつけておくと楽です。収入と経費を年末にまとめて思い出すのは大変です。入金の日付・金額・相手と、経費の領収書を、月ごとに記録しておくと入力が早く済みます。
- 副業が赤字になっても、給与から引かれた税金は戻りません。雑所得の損失は、給与など他の所得と損益通算できません(国税庁 No.1500)。
- 副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要です。所得税の確定申告が要らない場合も、住民税は副業の所得を含めて計算されます(副業20万円ルールのページ)。
- 副業の分は、年末調整のあとに自分で確定申告をします。年末調整をしてもらえるのは本業の勤務先1か所だけで、副業の所得は年末調整に含まれません。年末調整との関係は副業がある人の年末調整と確定申告にあります。
つぎに読むページ
- 副業20万円ルール:確定申告が要るかの判定
まだ申告が要るかわからないときに読むページです。副業の所得が20万円を超えるかの判定と、年収別に増える所得税・住民税の表を載せています。
- 副業の住民税は、本業の給与から引かれる?(特別徴収・普通徴収)
住民税を給与から引かれる形にするか自分で納めるかを、確定申告書の欄でどう選ぶかと、自治体による扱いの違いを説明しています。
- 書類の読み方
申告に使う源泉徴収票や医療費のお知らせ、控除証明書で、どの欄を見ればよいかがわかります。
- 副業の確定申告は要る? 税金はいくら増える?
副業の確定申告が要るかどうかと、副業の所得ごとに増える税金の例が載っています。
計算の前提
- 令和8年分(2026年1〜12月の収入)の所得税(復興特別所得税を含む)と、同じ所得にかかる住民税(令和9年度)の目安。住民税は標準税率で、自治体によって異なることがある
- 本業は給与1か所(年末調整を受けている)。独身で、年収は給与の額面。社会保険料は年収の15%で概算。生命保険料控除・iDeCo・ふるさと納税・住宅ローン控除などは使っていない
- 副業は給与以外の雑所得として計算する。副業の収入から源泉徴収された所得税はないものとし、副業で社会保険料は増えないものとする
- 「納める所得税」は、副業と控除を含めた1年分の所得税から、給与だけで計算した所得税(年末調整で済んでいる額)を引いた額。源泉徴収票の源泉徴収税額が給与だけで計算した額と同じものとして計算している
- 医療費控除の表は、副業の所得30万円(経費なし)・医療費の補填なしの場合。足切り額と上限は医療費控除のページと同じ
- 申告の期間(令和9年2月16日(火)〜3月15日(月))は、原則の日付(国税庁 No.2020)。令和8年分の確定申告特集の公表前なので、公表されたら確認する
根拠
計算ツールで、年収・家族・副業・控除などを入力すると、あなたの所得税・住民税・手取りの目安を計算できます。
あなたの条件で計算する